「川内杯栗橋関所マラソン」生みの親 川内鴻輝さん(29) ー農時新聞 「シリーズ29 ❝文化❞を語る」より転載

スポーツを通じて久喜のまちを元気づけたいと活動を続ける川内鴻輝さん(29)は久喜市の2大マラソンのひとつで年末の風物詩「川内杯栗橋関所マラソン」の生みの親でもある。3回目となる今年も未だコロナ禍の中だが、今年も昨年同様、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期して開催することをこのほど決定し準備に入った。そこで川内氏に同マラソンに懸ける熱い想いなどを伺った。 
聞き手 ジャーナリスト・長谷田一平

同マラソンの舞台は利根川河川敷だ。日光街道栗橋関所跡近くの河川敷をスタート・ゴール地点に、加須市カスリーン公園近くで折り返す10kmコース。ここを選択した理由について川内氏は「日本記録が出せるコースだと直感したから」と語る。

栗橋コースで日本記録が夢

とにかく路面は凸凹がなく見事なほどフラットで、道幅は10mと広く、カーブもない。正真正銘一直線のコースなのだ。しかも空気澄む秋から冬にかけては晴天なら男体山や日光白根山、筑波山、富士山の4山が一望に見渡せる。走る選手にとってこれほどの好条件は滅多にないという。既に1回目の大会で一般男子の部で29分台でゴールした選手が2人も出たことから、日本記録誕生も夢でないとして、いずれ日本陸連から後任コースのお墨付きをもらって、「好タイムが出る栗橋の名を全国は言うに及ばず全世界に発信できるようにしたい」と抱負を語る。そうすればトップ級の選手の出場の可能性も出てくるし、市民ランナーも一度は栗橋のコースを見てみたい走ってみたいと来場する機会が増すので、まちは活性化するし、その経済効果は絶大だと話す。

北は北海道南は高知から

栗橋関所マラソンは毎年年末ぎりぎりの日曜日に開催している。参加する市民ランナーにとっては同大会が”一年の走り納め”となることもあって、昨年は900人の定員が募集開始後わずか1週間で満杯になったほど人気を博している。参加者は当然、久喜を中心とする埼玉県東北部で半分を占め、東京都、千葉県、神奈川県の首都圏域を加えると、その率は8割近くになるが、参加者の地域別一覧をみると北は北海道から南は高知までとファンのすそ野は広い。

将来は走り+総合祭典視野

栗橋関所マラソンの将来像を伺うと「ただ走るイベントだけでなく、ステージを設けて各種イベントを取り入れた久喜市を代表するフェスティバルにしたい」「ここ栗橋は洪水危険地帯なのでフェスティバルを通じて地域住民の連携強化に役立つ企画を考えたい」と話す。

川内氏は今、久喜市を市民ランナーの聖地化にする活動に注力している。聖地化とは何かと問うと「走ると言えば久喜だよね」のイメージの定着、まちづくりの推進だという。「久喜には走れるコースがいっぱいある」として栗橋関所マラソンの更なる充実は勿論のこと、現在20kmがメインの久喜マラソンのフルマラソン化、それとまだマラソン大会がない菖蒲と鷲宮地区にも市民ランナーが気軽に参加できる大会の創設が夢であり目標と語る。

スポーツ振興 今や時代の要請

「幸せの大前提は健康であるこt」「それにはスポーツが一番」が持論の川内氏は超高齢社会を見据えて、健康寿命が1歳延びれば国の社会保障費は年間1兆円削減できることを強く意識してか、「貴重な財源確保の面からも現代ではスポーツ事業の進行は時代の要請ともなっている」と述べ、市民の健康づくりの一翼を今後も担っていきたいと強調した。

ゲストランナー 東京五輪8位入賞 
日本陸上界のスター 田中希美さん出場

ゲストランナーは今年もマラソンで有名な川内ファミリー(鴻輝氏の長兄でボストンマラソン優勝者・優輝氏、その妻・侑子さん、次男・鮮輝市)がこぞって出場するが、最大の目玉は我が国陸上の中・長距離界のスター田中希美さん(豊田自動織機TC)が出場することだろう。田中さんは今夏開催された東京五輪で女子トラック種目(1500m)で見事25年ぶりの入賞(8位)を果たすなど今日本女子陸上界で一番注目されているランナー。昨年の栗橋関所マラソンにもゲスト出演したが、今年も川内鴻輝さんからの要請に快諾して走ることになった。

プロフィール

◆川内鴻輝(かわうち・こうき)◆ 
1992年9月8日、久喜市出身、29歳。
高校、大学、実業団で陸上を楽しむ。言わずと知れたボストンマラソン優勝者・川内優輝市は長兄。スポーツ会社を経営。2018年の久喜市議選で過去最年少となる25歳で初当選。モットーは「明るく楽しく元気よく」。好きな言葉は「選択と集中」。趣味は温泉巡り、映画、旅行。市内にある百観音温泉、和みの湯、健美の湯には週1のペースで通うほど温泉好き。

第3回川内杯 栗橋関所マラソン大会

◆後援 久喜市 
◆協力 久喜商工会
◆特別協賛 フジハウジング

【開催日】12月26日(日)
【集合場所】久喜市栗橋地先水神宮様前・利根川河川敷
【定員】1000人
【スタート時刻】女子=午前9時20分~、男子=午前11時~
【種目】男女とも10Km。クラスはいずれも「高校生~39歳」「40歳~50歳」「60歳以上」
【参加費】大人 4,000円、高校生 2,000円
【申込期間】11月1日(月)~30日(火)
【問い合わせ】大会事務局 (TEL)090-4534-8857(平日9:00~17:00)。WEBサイト=https://www.shining-foundation.org/kurihashisekisyo-marathon

コロナ禍対策

今年も昨年同様、出場選手全員に大会当日、会場での体温測定と直近2週間の体調管理シート(渡航歴の有無、本人・家族の健康状態等)の提出を義務化させる。また、出場協議時以外は会場内に三密を避けるため、男女とも一斉スタートは廃止し、最大50人以内のグループごとに分けて走らせるウエーブスタートを実施する。