昨年に始まった「東口2000円セット」の話題が、1月25日発行の農時新聞3面で掲載されました。
記事の中身を下記にて転載いたします。
農時新聞2020年1月25日付記事より
写真提供:農時新聞

シリーズ21 “文化を語る” 久喜駅東口を元気にしていこうと飲食7店主がスクラム

久喜駅東口をより元気にしていこうと東口で飲食店を開業している7店舗の経営者が“ワンチーム”になって昨年11月1日にスタートさせた「東口2000円セット(7店舗どこのお店で食事しても、ちょっと一杯やっても2000円ぽっきりでOK)」が話題になっている。
そこでこのシステムを考案した高橋勇広さん(36)に立ち上げた動機、今後の夢などを伺った。
聞き手 ジャーナリスト・長谷川一平

各店 自慢料理1~2割値引き「90分限定」新規顧客獲得へ

1日の乗降客数約15万人を誇るJR・東武線「久喜駅」には西口と東口があるが、駅前のイメージは西口=賑やか、東口=閑散。この東口のイメージ打破が高橋さんの願いだ。このため経営大学院で学んだ知識を駆使して今回のプラン「東口2000円セット」を考えたという。
その肝は“キーバイファクター”(Key Buyling Factor)。
つまり「お客さんがモノを買う時、一番大事にすることは何なのか」。
これを突き詰めれば、解に辿り着くのではないかと、久喜駅東口飲食店街の現状分析と課題、その克服方法、戦略、戦術を懸命に考えたという。
そして導き出した答えは「フリーのお客さんをいかにして獲得するか」だった。キーワードは「軽く食事するなら、ちょっと呑みに行くなら東口だよね」
—これに決めた。
そこでこのフレーズの具体化や浸透のため、久喜駅東口で飲食店を開業する経営者に「一緒になって東口を元気にしていこう」と協力を呼び掛け、昨春考えたプラン「東口2000円セット」を披露した。
2000円セットの骨子は極めてシンプルといえる。その内容は(1)加盟各店はお客さんが税込2000円ぽっきりで飲食ができるよう各店自慢のお勧めメニュー等を通常より1~2割安い単価で提供しお得感を味わってもらう(2)提供するメニューは全品ポイント制とし合算上限20ポイントで終了(余っても1ポイント以外は再利用不可)(3)お客さんの利用時間は1店舗90分間とし延長は厳禁(90分後に他の7店舗にハシゴするのはOK。ここでも90分制限は適用)。
最近これと似たモデルはテレビでよく紹介されるセンベロ(1000円でべろべろに酔える店)があるが、「せんべろみたいにメニューの数を限定したり安売りを全面に出すと久喜東口各店の価値低下にもつながるので私たちは商品の選択は多くして値段もあえて2000円にした」と高橋さん。

キーワードは軽く食事するなら ちょっと飲むなら“東口”だよね

11月1日から始まった「東口2000円セット」には東口で飲食店を開業する10数店舗中、別表7店舗の経営者が賛同、ワンチームになって久喜駅東口の活性化のために立ち上がった。スタートして2ヶ月が経過した中、立役者高橋さんは「各店から2000円セットの利用もあるよと聞かされると『やってよかった』と思う」と目を細める。
また一緒にスクラムを組んだ肉バルビーキッチン・鵜殿隆太朗社長は「高橋さんのおかげで7店舗の経営者が久喜東口を元気にしていこうとスクラムを組んだことで『東口ってこんなにお店があるんだ』『東口の経営者はお客さんを取り合いしているのではなく、皆で力を合わせて、こんなに面白いことやっているんだ』ということが広がれば東口のイメージも変わっていくのではないか」と期待感を滲ます。
同時に高橋さんの発想力と行動力を称えた。

目指す姿は西口飲食街像

高橋さんの夢は久喜駅東口の飲食各店にくるお客さん同士の連帯による新たな飲食街像の実現だ。
その手本は「尊敬する先輩がたくさんいる久喜駅西口にある」という。
「西口はとにかく飲食店同士の繋がりが強い。お客さんたちを紹介し合っているし、年1回、バス4台でお客さんと一緒に180人ほどが出掛けてバーベキューを楽しむなどの絆の強さ、団結力がある」と羨む。
この連帯感が東口でも実ればまちは必ず元気になる。この信念の下、今年は飲食店の加入増に懸ける。

プロフィール


高橋 勇広氏
1983(昭和58)年5月、久喜市生まれ。36歳。高校時代に飲食店でバイトをしたことが契機になり飲食の世界に興味を持ち調理師の免許を取り本業となる。20代後半に念願の店を久喜駅東口で開店。現在東口で2店舗を経営。好きな言葉は「やればできるさ」。尊敬する歴史上の人物は織田信長、坂本龍馬。未知の世界を切り開く姿勢に共鳴する。趣味はサッカー。休日はサッカーに没頭しているとか。

農時新聞とは


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